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実学主義と教養主義これからの時代に求められるものはどっち!? みんなの受験情報


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実学というと、工学、経済学など実際の生活や実務に即やくだちそうな学問でずばり職業的な知識技能。一方一般教養は、歴史や文化、神学まで広く人間として持つべき教養だということができます。
一般教養は、実はギリシャ時代の自由教育という概念を原型とするヨーロッパにおける伝統的な概念なのだそうで、時代により、その時代の特徴を反映したさまざまな知の体系をかたちづくる礎となってきたようです。
一般教養の目的は、断片的な知識を体系化し、人間の普遍的、全体的、調和的な完成を目指すことということだと言えますね。

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「知識は体系知とならなければ意味がない」

オタクのように断片的な知識を山ほどもっていても、それらの知識がどう関係しているのかという体系にした知識となっていなければ知は完成(Intelligence化)しないという考え方です。

この思想は18世紀から19世紀のフリードリヒ・シュライエルマッハーというドイツの神学者がドイツに定着させたそうですが、当時ベルリン大学の神学部長だった彼は専門科目を教える教授にも教養科目を持たせ、さまざまな学問の交流を図り生きた「体系知」を生み出すことが大学の意義であると考えたそうです。

ハーバード大学は教養重視の授業が行われている。専門分野は大学院が基本。

実は現在もこの「体系知」という考え方のもと教養重視の授業が行われているのがアメリカの大学。ハーバード大学などでも一般教養の授業を重視する講義内容となっていて、逆に専門的なことは大学院で学ぶというスタイルが基本なのだそうです。世界に優秀な人材を発掘するこうした大学の姿勢を考えてみても、やはり教養というのは大事だということがわかります。

ということですが、現在ユーロ地域ではドイツが中心となって政治や経済を回している等イメージが強いですよね。

現代ビジネスの記事で、「二度の世界大戦で敗れたドイツが、それでもヨーロッパの「頂点」に君臨し続ける本当の理由」という記事によると

EU圏の2つの国を比較して、教養が非常に重要で、体系知こそが人が人として大成する上で欠かせないものであるという喩がされていました。

フランス:徹底的な実学主義
ナポレオン時代にこの実学主義が推進されたそうで、進学や文学なんて教えるのはやめて、工学、経済学、軍事学を重視するようになったそうです。フランスの国立大学には神学部がない。

ドイツ:教養重視主義
神学部がないと総合大学を名乗ることができない。進学を重視する理由は「目に見える世界だけでなく、目に見えない世界を学んでこそ、知はバランスを保てる」という考え方基本となっている。

現在フランスは財政危機などを抱えながらドイツの大国としての地位を奪われたように見えると思いますが、そこには、こうした大学における教育システムの違いがあるのではないか?ということを言っているようです。

幼少期、小学校時代のお子さんの教育も教養を大切にしたバランスの良い学びが大事

このような話しをしても、親御さんによってはまぁそういうことかもしれないけれど、実際私には関係ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はお子さんの教育などんも直結して考え見るといろいろ得るものがあるはずです。

例えば中学受験と小学校時代の学習方針というテーマについて今回のお話を当てはめてみると

専門分野=テスト対策
教養=基礎体力

というように見てみると、高学年より塾に通い出し短期間に受験テクニックばかりこなす不毛な学習というのはお子さんの伸びしろを考えた時に、短絡的なアプローチであるということは言えるかもしれません。

一言に中学受験対策というと、受験のために勉強するというスタンスとなりがちですが、本来の勉学とは、お子さんが社会に出て十分に自立し、活躍するための力を身に着けてもらうというのが一番の目的のはずです。

学歴社会だとか、学歴至上主義だとかいろいろなことがあるのも事実かも知れませんが、これからお子さんの学習について考え始める時期のご家庭の親御さんでしたら、是非一度立ち止まって、教養と実学について考えてみてはいかがでしょうか?

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